occasionalのブログ

日々の暮らしのなかで、ちょっとうれしかったこと、あれっと思ったことなど

レイオフと高給の関係   layoffs and high salaries





アメリカ企業は、ばんばんレイオフします


 (image)





ご存じのように、2022年の11月以降、アメリカではIT系企業を皮切りに


非IT系の企業に至るまで、さかんなレイオフが見られました。


ここまでの解雇は日本では滅多に見られないので、


びっくりしながら情報に接していた人も多いと思います。


そしてそれは終息したわけではありません。










アメリカ企業の高い給与水準とレイオフとは表裏の関係


一旦正規で雇用すると、ほぼ解雇ができない場合、(日本では正規職員の解雇は実際問題としてむずかしい)


高い給料を設定することは、雇用側にとって相当のリスクです。


その人の能力が思ったほどでない


企業の業績が思ったほど伸びない


など、予測が外れることは、企業活動のなかで起こります。



こうした際に、解雇がほぼできないとなれば、


最初からできるだけ安全な給与体系を設定したくなります。



他方、アメリカのように企業の経営状況が左下がりになった、


あるいはそうなると予測される場合に


レイオフができるのであれば、給与設定の自由度は高まります。



かつてレイオフは企業業績が持ち直せば呼び戻すこともあったようですが、


最近は呼び戻すという点は不確実のようです。


まずは退職パッケージ(severance package)で合意して別れ


新しい仕事を探すというケースが多いように見受けます。





Harvard Business Review ↓ (無料で読めますが無料で読める記事数が限られています)







雇用の安定が大事か、高給が希望か


これは、各個人そして各個人によって形成される社会全体が


どう考えるかにかかっています。


それぞれの社会のおいしいところだけを摘まもうとしても


うまくいきません。


ただ、アメリカのように非常に動的な経済構造は、


やはり資本主義・市場経済においては強いと思います。


これは倫理的に好ましいという意味ではなく、


競争力が高いという意味です。



そうした中にあって、日本はどのような社会的合意を今後作っていくのか


なかなかむずかしい局面のように感じられます。